持続可能な未来の小樽を考えるブログ(旧・すうがくラボのブログ)

少子高齢化の進む北海道小樽市におけるコンパクトシティ構想を核とした「持続可能な未来の小樽」についてささやかながら提言を行っていく予定です。もともとこのブログは2017年12月~2018年11月の1年間開設していた個人塾「すうがくラボ」の情報を発信するものでしたが、2022年1月にテーマを変更しました。需要があれば数学のことなんかも書いていくかもしれません。

中学数学

北海道・公立高入試問題をネタに(その10)

さて、入試問題シリーズ最終章です。
裁量5の問3(2)にまいります。
20180312_2
(3月7日付北海道新聞朝刊より)

立体の問題は3Dを2Dに置き換えられているので非常に見づらいですね。
問題では線分AHの長さを求めることになっていますが、ちょっと細工をして考えたいと思います。
辺ADの中点をF、辺BCの中点をGとおいて、3点O,F,Gを通るようにこの立体を切断しますと
20180314_1
線分OFとOGは正四角錐の側面(一辺4cmの正三角形)の頂点から底辺に垂線を下した高さになっています。
このことから正三角形を真っ二つにした30°・60°の鋭角をもつ直角三角形で三平方の定理よりその長さを求めることができます。
例えば△OFA(∠OFA=90°)で考えると
 FA : OF = 1 : √3 または
 OA : OF = 2 : √3
と考えることができて、OF = 2√3 (cm) と求めることができます。
同様に OG = 2√3 (cm) も求められます。
ここで点Fから線分OGに垂線を下し、その交点をIとすると
辺ADは面Pと平行であることから
 AH = FI
と考えることができます。

ここで
 FI = x, GI = y
とおいて三平方の定理を2回使って求めることもできますが、あえて他の作戦で攻めてみたいと思います。
△OFGの面積をからめてみましょう。
20180314_2
△OFGはOF=OGの二等辺三角形ですので、点Oから辺FGに垂線を下すとFGの中点で交わります。
その中点をJとおきます。
△OFJにおいて三平方の定理より
 OJ^2 = OF^2 - FJ^2 (^2は2乗のこと)
   = (2√3)^2 - 2^2
   = 12 - 4
   = 8
 OJ = 2√2 (cm)
よって△OFGの面積は
 4 × 2√2 ÷ 2 = 4√2

20180314_1
では面積が求められたところで、OGを底辺として高さFIを求めます。
 OG × FI ÷ 2 = 4√2
 √3 FI = 4√2
あとで有理化するのは面倒なので、先に両辺に√3をかけて
 3 FI = 4√6
 FI = 4√6 / 3 (cm)

AH = FI ですから
 AH = 4√6 / 3 (cm)
となります。

二等辺三角形を扱うときはやっぱり頂角を上にしたほうがいろいろとありがたいですよね。
三平方の定理で強行しても解けますが、面倒な計算をするよりも面積から割り出したほうが楽なのかな~って思います。
もちろんやりかたは解く人しだい!!
どんな手を使ってでも答えを導ければOKですね。
ただし、時間制限があるのでそこは考えないといけませんが・・・(笑)

すうがくラボ 所長
本間 真一

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北海道・公立高入試問題をネタに(その9)

本日は裁量5の問3に進みます。
20180312_1
(3月7日付北海道新聞朝刊より)

この問題、勘の良い人はOBとABの長さが同じだってすぐに気が付いてしまうかもしれません。
点Oから底面(四角形ABCD)に下した垂線との交点をEとすると、実は
 △ABE≡△OBE
となります。
理由は解いていく過程でわかると思いますので、ピンと来てない人はこのあと読んでみてください。
まずは底面の四角形ABCDを真上から見てみましょう。
20180312_3
どの三角形をつかっても良いのですが、見やすそうな△ABEで説明を進めます。
△ABEは
 ∠AEB = 90°
 ∠BAE = ∠ABE = 45°
の直角二等辺三角形です。
三平方の定理より、
 BE : AB = 1 : √2
となりますね。
AB = 4(cm) ですから代入すると
 BE : 4 = 1 : √2
これをBEについて解くと
 BE = 2√2 (cm)
となります。

では今度は点Aを手前にして真横からこの正四角錐を見て、対角線BCで切った状態を考えてみると
20180312_4
こんな感じ(右半分だけですが)になっています。
あら、また△OBEは直角二等辺三角形ですね。
しかもさきほどの△ABEと合同になってます。
もちろんここから三平方の定理を利用しても答えは出ますね。
 BE : OB = 1 : √2
 2√2 : OB = 1 : √2
 OB = 4 (cm)
△ABE≡△OBEを利用しても求められますね。

この問題の図を見て、高さが 4 を √2 でわった長さになっているといち早く気が付いた人はなんの計算もすることなく
 OB = 4 (cm)
と結論を出せちゃいます。

裁量問題の最後としては結構やさしい問題ですね。
さて、最後はこのピラミッド(正四角錐)を寝かせちゃうようです。
これはまたの機会に・・・

すうがくラボ 所長
本間 真一

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北海道・公立高入試問題をネタに(その8)

さて、裁量5の問2にまいりましょう。
20180311_4
まずは(1)・・・この図のままではわかりにくいので、グラフを描きなおしてみます。
原点Oの位置に点Pが重なるというのが条件ですので、点Qは
 BO : OQ = 5 : 2
となる位置になります。
これは
 △OAB : △OAQ = 5 : 2
より、それぞれの底辺をOBとOQと考えると高さは等しいので底辺の比がそのまま面積の比と考えられるからです。
ちょうど点Bのy座標が5ですからこれは好都合ですね!
点Qのy座標は-2だと見た目でわかるでしょう。
20180311_3

ということで(1)の答えは
 Q (0,-2)
となります。

(2)では点Pは原点Oから点Aまで移動するということが条件です。
このときに
 △OAB : △OAQ = 5 : 2
という条件を保つためには共通の底辺をOAと考えて高さの比が 5 : 2 になるようにすれば良いでしょう。
それはすなわち
 BP : PQ = 5 : 2
という関係が成り立っていれば良い・・・
ということは点Pが原点Oにあるとき(スタート時)の点Qの位置を点C、点Pが点Aにあるとき(ゴール時)の点Qの位置を点Dとおくと
20180311_5
点Pは線分OA上を、点Qは線分CD上を動くと考えられます。
BP : PQ の比をたもちながら移動することから
 OA // CD
と考えることができます。
直線CDは直線OAと平行でy軸との切片がー2より
 y = x - 2 ・・・②(丸数字の2)
と求められます。
直線ABはグラフからでも2点の座標からでも求めることができ
 y = -1/4 x + 5 ・・・③(丸数字の3)
となるでしょう。
ここで点Dの座標が明らかになれば面積は求められそうですね。
②と③(丸数字の2と丸数字の3)を連立して解いて点Dの座標を求めると
 D(5.6,3.6) (分数表記だとブログでは見づらいのであえて小数にしました)
問題では水色の部分の面積を求めることになっています。
△BCDの面積から△OABの面積をひけば求められますね。
△BCDの面積は底辺をBCと考えると
 7 × 5.6 ÷ 2 = 19.6 (あえて小数ね)
△OABの面積は底辺をOBと考えると
 5 × 4 ÷ 2 = 10
したがって求める面積は
 19.6 - 10 = 9.6 (分数表記だと 48/5)

この問題の場合は遠回しに BP : PQ = 5 : 2 になることを教えてくれています。
これさえ認識できれば攻略できるんじゃないかと思います。

すうがくラボ 所長
本間 真一

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北海道・公立高入試問題をネタに(その7)

さて、昨日の続き(裁量の5の問題)です。
20180310_2
同じように表にまとめてみましょう。
20180311_1
Bの点検ではエレベーターを1階から10階まで各階停止で移動させていくということですね。
2~9階で7秒ずつ停止させるので、停止時間の合計は
 7秒×8階=56秒
階の移動時間はx秒とするということですから、1階から10階までの移動の時間の合計は
 x秒×9回=9x秒
となります。
停止時間と移動時間の合計は
 (56 + 9x)秒 ・・・(1)

20180311_2
Cの点検では10階から一気に1階まで下降させて、1階で11秒停止したあと一気に10階まで上昇させるというものです。
停止時間は1階での11秒だけです。
移動時間は1階分移動するのにy秒かかるということで、片道9階分移動することから
 9y(秒)
と考えられます。
これが往復ありますので、Cの点検の所要時間は
 (9y × 2 + 11)秒 ・・・(2)
(1)と(2)の所要時間がまったく同じになればよいので、1つ目の式は
 56 + 9x = 18y + 11
整理すると
 9x = 18y - 45
 x = 2y - 5 ・・・(3)
Bの点検の階の移動時間はCの点検の階の移動時間よりも2秒長いということで
 x = y + 2 ・・・(4)
(3)を(4)に代入すると
 2y - 5 = y + 2
 y = 7
これを(4)に代入すると
 x = 7 + 2 = 9
ということで

Bの点検で階を1つ移動するのにかかる時間・・・9秒
Cの点検で階を1つ移動するのにかかる時間・・・7秒

1階から10階まで7×9=63秒かかるって結構ゆっくりエレベーターを上昇・下降させてますね。
あ、スピードを競う訳でなく、あくまでも点検・・・ですね。(笑)

すうがくラボ 所長
本間 真一

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北海道・公立高入試問題をネタに(その6)

さて、本日は裁量の5の問題に取り掛かりましょう。

20180310_1
(3月7日付北海道新聞朝刊より)

「こんな点検、意味あるの?」って問題ですね。(笑)
まっ、お付き合いしてあげましょう。

Aの点検方法を表にまとめると
20180310_3
スタートとゴールの1階では停止時間は考えないですね。
目的階(n階)では1回しか停止しないですね。
途中の2階から(n-1)階までは上昇時(往路)と下降時(復路)の2回停止します。
2回停止する階はスタート・ゴールの1階と目的階のn階を除いた階になります。
すなわち (n-2)階
各階に7秒ずつ停止するので、往路および復路ともに途中階では
 7(n-2) 秒
停止することになります。
よって停止時間の合計は
 7(n-2) × 2 + 7 ・・・(1)
階の移動は片道 (n-1)回 あります。
移動にかかる時間は8秒なので、往復の移動時間の合計は
 8(n-1) × 2 ・・・(2)
(1)と(2)を合計したものが点検にかかる時間なので加えればいいでしょう。
 (1) + (2) 
 = 7(n-2) × 2 + 7 + 8(n-1) × 2
 = 14(n-2) + 7 + 16(n-1)
 = 14n - 28 + 7 + 16n - 16
 = 30n - 37

この問題は他にも作戦が立てられそうですね。
これはほんの一例です。

具体的に3階まで往復する時間、4階まで往復する時間・・・のようにはじき出していって規則性を見つけるって手もありかと思います。

すうがくラボ 所長
本間 真一

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